2008年10月27日

Googleがロングテールから吸い取ったもの

Googleがロングテールから吸い取ったもの

このタイトルを見て色々と変な違和感を感じたのは私だけでしょうか。

WebユーザーがGoogleのような大手に一極集中する傾向が強まっている。これはロングテールの終息を意味するのだろうか。

今回はこのロングテールの事も含めてインターネット上のサービスや技術のあり方について考えてみたいと思います。





この記事、誰が書いたんだろう

このITmediaの記事は英文の訳なので一体誰が書いたのかなと思い、原文へ飛んでみると、Clint Boultonさんという方が書いたものだとわかりました。eWEEK.comの方のようですね。

どうして書いている人のことが気になったかというと、随分と乱暴な解釈をするんだなぁと感じたからです。

まあ多分記事としてのインパクト、私と同じように感じる人へのメディア特有の煽りも盛り込まれているのでしょうね。
だとしても私は全力で釣られてみます。


記事前半の内容と、ネット利用者の正直な気持ちと行動

記事の前半を簡単に書きますと、
この方はAsk.comの傘下にあるRSSフィードサービスのBloglinesというサービスをずっと使っていたそうですが、ある時急にそのサービスに接続できなくなり復旧のための連絡も取れなかったため、とりあえず他のRSSフィードサービスで代用しようとし、Google Readerを使い始めたそうです。
機能やインフラも充実しているGoogleのサービスを使い始めたらBloglinesが復旧してもそちらを使う事はもうなかったそうです。

ここまでの内容は、よくある話だと思います。

不具合発生の際、原因不明、音信不通で利用できないサービスより、回線やサービス自身も含めて安定している、もしくは安定しているだろうと勝手に思わせるだけの実績を既に築き上げている企業が提供するサービスの方がいいに決まってます。

新しいサービスを提供するベンチャー企業などにおいて、
まだネット上でブレイクしていないサービスであれば、利用者にとって不満であると印象付かせる不備を与えてしまえばそれが少々の事であってもすぐに利用者が減ってしまう可能性が高い。
しかし、ユーザに対して築き上げてきた信頼が十分である企業が上記企業がしてしまった事と同じ過ちをおかしてしまってもすぐに利用者が減る可能性は低い。

これが大半のユーザの正直な行動パターンです。

インターネットサービスの提供に携わる方々は、このような厳しい現実があることを常に意識していていなければならないと思います。


大は本当に小を兼ねるのか?

話をもっていきたい場所とちょっとずれてしまいましたので再び記事へ戻ります。

カー氏によると、わたしたちの大部分は数年前までYahoo!かAltaVistaで新しいサイトを見つけていたが、だんだんものぐさになった。わたしたちはWebを自由にサーフィンするのではなく、特定のWebサイトに集まるようになり、検索アルゴリズムによって人気が増大した少数のサイトばかり使うようになった。

カー氏という方が言うこの部分については概ね同意です。
自分がPCを使用するためによく利用するサイトがあれば、同じ目的で利用するサイトが複数あってもより便利なサイトのリピータになるのは自然の流れであると思います。

以下しばらく同じような事が書かれていますが、

ここでわたしの置かれた状況に戻る。Googleのおかげで必要な情報が見つけやすくなるのなら、あるいは1カ所から作業したりコミュニケーションができるようになるのなら、なぜ新しいサイトに行く必要があるのか。

この意見には激しく違和感を感じます。

便利であると判明したサービスの利用が継続できる限り他のサイトの同一サービスは見向きもしないよってことですよね。

これはやっぱり話が極端すぎますよね。。

私は最近特に頻繁に「時間の流れによる技術の劣化」を感じます。

同じサービスを使い続けるのはその人にとってそのサービスが快適であり現段階では不満がないからだ、というのが大半だと思います。

しかしネット上のサービスを積極的に利用する人というのは、自分が興味・関心を持つカテゴリでの新しいサイトやサービスがあることを知れば、
「今現在利用しているサービスが快適であるならばなぜ新しいサイトに行く必要があるのか」
なんて考えは出てこないと思うんですがどうでしょうか。

その新しいサイトやサービスが良いか悪いか、今後リピータになるか否かの判断なんかはあとにしてとりあえずそこへ行って見て、とんでもなくひどそうでない限りもしくは簡単には利用できない環境でない限り、利用してみると思うんですが。。

これは私の中の常識的な感覚なのでもしかしたらそんなことないよという人もいるかもしれません。
でも、そんなことないよという人はある日突然「時間の流れによる技術の劣化」、つまり満足して利用していたサービスがいつの間にか時代の流れに置いていかれていて、世の中にはもっとずっと便利で使いやすいサービスが存在していた。なんてことになりかねない(ならない可能性はゼロではない)ことを覚悟しなければいけないと思います。


井の中の蛙大海を知らずという言葉がありますが、ネットサービスを利用する人は、いくら現在利用しているサービスが快適であっても、その快適な空間に浸り続けずに、たまには思い切って訪れた事のない場所へ出向いてみるべきだと思います。

今よりもっと優れた空間があるかもしれない。

そういったアンテナを常に張り続けることは非常に大切な事ではないでしょうか。


何を以ってロングテール理論の崩壊?

最後にこの記事が伝えたそうであるロングテールについて。

ロングテールのイメージ By Googleイメージ検索

ロングテールの検索結果 - Googleイメージ検索


 Google Readerが存在するということは、もうBloglinesのようなロングテールサイトの貧弱なサービスの犠牲にならずに済むということだ。わたしにとってBloglinesは死んだに等しい。

非常に残念な考え方だと思います。

 これはロングテールの終息を意味するのか。その可能性は十分ある。ロングテールは依然として「格調高く有益な理論ではあるが、既に時代遅れの感があり、現在のWebよりもむしろ、かつてわれわれが思い描いたWebの姿を言い表した」ものだとカー氏は言う。

ぶっちゃけ、ロングテール理論というのはどんな市場にも通用するものではないだろうし、更に何を以って通用していると言えるのかという事も市場によってだいぶ違うのではと思っています。

インターネット社会でのロングテール理論は崩壊する可能性があると言いたいのでしょうが、本当に規模の小さなサイトへの訪問はなくなってくるのでしょうか。

崩壊するしないの判断は、単純なアクセス数であったりリピータ数であったり成約数であったり、インターネットの場合様々であると思います。

一般的にはリピータが多いサイトがよいサイトと言われたりしますが、中にはリピータ確保より新規ユーザの獲得を成功とするサイトもありますし、アクセスは多ければ多いほどいいとは一概に言えないサイトもあります。(限定商品を扱っている物販系サイトで、どこかで無断で紹介されたことによってアクセスが増えすぎて通常の処理ができなくなり、やむなくネットでの販売を中止したという話も聞いた事があります。)

このように、「よい」の基準がそれぞれ違う個々の集合全体を対象に考えたロングテールと、例えばAmazon.comなどがビジネスモデルとして成功している「ニッチな商品の収益の集積による成功」といった1つのサービスを対象に考えたロングテールでは、とても同じ土俵で考える事はできないのではと思います。

これらの考えには、ネット社会の縮小つまり「快適であるサイトだけが存在する小さな世界」を望まない私の願望も含まれています。

新しいサービスが次々と生まれてくる現在のインターネット社会で、何でも満たしてくれる事が約束されている既存のマンモスサイトしか誰も利用しなくなってしまえば、新しい技術やサービスの生まれる可能性のある場所が非常に限定的になってしまうかもしれません。

インターネットはこれからも、誰もが気軽にアイデアや技術を生むことができ、不特定多数のユーザがそれらを評価できる世界であってほしいと思います。

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posted by トモヒロ | Comment(4) | TrackBack(0) | IT関連記事
この記事へのコメント
記事を深々と読ませていただきました。
非常にニッチな考えかも知れませんが、
現在ブログを運営されている
人が増大しています。
色んなブログがありますが
中にはトモヒロさんのように
その道のプロが運営されている
ブログもあり。
非常に勉強になります。
ブログも捨てたものでは
ないと、思っています。
Posted by at 2008年10月28日
>> 葵さん
いつもコメントありがとうございます。
そのように感じていただけるととてもうれしいです^^
自分の言いたい事が読んでくれる人に少しでも伝わったり共感を得てもらったりできることは、私がブログを始めた時の目標のひとつでもありましたので。
(前もどこかで書きましたが)私はその道のプロではないのですが、IT関連記事はいつも出来るだけ関心を持って読むようにしています。
Posted by トモヒロ at 2008年10月28日
【サラリーマン編】に入りました・・<m(__)m>・自分は静岡県駿東郡在住、現在は建築現場監督休業してますが、大学入学前に交通事故にて脳挫傷で1年間休学し、大学では頑張りました。しかし.社会に出て絶えない苦 労です。ブログは、学生編も終わり、サラリーマン編で書いてます。よかったら自分の【ブログも事故発生の始め】  http://tomotaroukun.blog116.fc2.com/blog-entry-1.html              から読んでやって下さい。尚、ブログには、当時の写真・面白い・可愛い・画像・動画ありますので、時あれば、楽しんで見てやって下さい。 よろしければ、相互リンク友になっていただけたら、幸いです。







Posted by 智太郎 at 2008年10月28日
>> 智太郎さん
貴方のコメントは私が普段読んでいるブログでも何箇所かで見かけております。
既にそちらのブログにもお邪魔させていただいており、記事も読ませて頂いております。
色々大変だとは思いますが頑張ってください。
また遊びに行きますね。
Posted by トモヒロ at 2008年10月28日
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